みなさんこんにちは!ブランド古着のKLDです。
今回は、レザーの種類についてお話していきたいと思います。
バッグやシューズ、服やお財布などにもよく使われるレザー。
「牛革が一般的なのは分かるけど他にはどんなものがあるの?」という方も多いのではないでしょうか?
希少なものも含めると本当に色々な種類があるレザーですが、今回は一般的に使われることの多い「一般的な動物編」としてベーシックなレザーをご紹介します!
※加工方法によるレザーの呼び方の違い(スエード、ヌバックなど)もありますが、今回はレザー製品に使われる動物の種類についてお話していきます。
- そもそもレザーとは?
- 革製品に使われる動物の種類
という形でお話していきますのでぜひご覧ください!
希少なエキゾチックレザーについての記事はこちら
そもそもレザーとは?
まずは、「そもそもレザーって何なの?」ということから簡単にお話していきます。レザーとは、動物の革を鞣(なめ)して加工した素材のこと。
昔から広く世界中で使われ、愛されていることは皆さんご存知のとおりかと思います。
表記として「皮」ではなく「革」という漢字を使う理由は、「皮」は、生の状態や加工されていない状態のものを指す場合に使われることが多く、生きている状態の動物の皮や果物の皮を表現する時に使われています。
それとの差別化のため、「革」は、製品や素材として加工されたものを指す文脈で使われています。
したがって、「レザー」と呼ばれる加工された革は、「革」という表記で統一されています。
鞣(なめ)しとは?
鞣し加工(なめし加工)とは、動物の皮を革製品として使用するために行われる加工の一つで、この加工によって生の皮が腐敗しづらくなり、耐久性や柔軟性を持った革に変わります。鞣し加工の手順は以下のような流れでおこなわれます。
- 浸水・脱毛:生の皮を水に浸けて、余分な脂肪やタンパク質を取り除き、また脱毛処理を行います。
- 鞣し:皮を柔らかくし、変形や腐敗を防ぐために、タンニンや他の化学物質を使って鞣します。
- 植物鞣し:植物のエキス(特にタンニンを含むもの)を使って行います。これによってできる革は、天然の風合いがあり、時間とともに色が変わる特性があります。
- クロム鞣し:クロムという金属の塩を使用して鞣します。この方法で鞣された革は、耐久性があり、柔軟性も高いです。
- その他、油鞣しやアルミニウム鞣しなど、様々な方法が存在します。
- 染色・仕上げ:鞣した革を染色して、最終的な色や仕上げを行います。
レザーになる動物の皮ってどこから来ているの?
レザー製品として素材となる動物の皮ですが、今回ご紹介する一般的なレザーについては、食用に飼育されている動物の副産物として生産されているものがほとんどです。(今回ご紹介する一般的な革製品に使われる動物たちは、皮を取るために殺すことが禁止されています。)
今回は一般的なレザー素材として、牛、豚、馬、バッファロー、山羊、羊、鹿の革についてご紹介しますが、どれも食用や、ミルクや毛の採取などに飼育していて退役した個体の副産物が主なもので、それ以外でも狩猟し、食用にするものや本来の仕事を終えて退役する個体、自然死した個体などからの副産物としてとれるものをレザー製品として活用しています。
動物の素材をめぐる考え方は様々ですが、生き物の命を無駄なく活用し、レザー製品としているのが現在の一般的な革製品のあり方となっています。
色々なレザーの特徴
ここからは、様々なレザーの特徴を動物別にご紹介していきます。牛革

牛革の特徴として、非常に耐久性が高く、適切にお手入れをすると長持ちする点が挙げられます。
他の革製品と比べても、耐摩耗性、引裂き強度、伸縮性に優れ、汎用性の高さも魅力。
牛の年齢や性別などによるバリエーションや、加工によって様々な用途に使え、世界中で重宝されている素材といえます。
以下のように、牛革の中にも様々な種類があります。
ハラコ

毛のついた毛皮素材。
元々は母親の胎内で死んでしまった胎児を使用したことから「ハラコ」と呼ばれていましたが、現在は子牛または成牛の毛付革を一般に『ハラコ』と呼んでいます。
短く、つやのある牛の毛並みが感じられるのが特徴で、撫でると独特の気持ちよさがあるのが魅力。
キズや擦れなどに少し注意が必要な素材ですが、高級感のある魅力的なレザーです。
カーフ

カーフスキン(もしくはカーフレザー)とは、牛革のなかで一番若い生後6か月程度の仔牛の革のことで、牛革の中では希少価値が高く、高級な革です。
滑らかできめの細かい表面が特徴で、細かい毛穴が均等に並び、美しい質感が魅力。
また、仔牛の革ということで成牛のものよりも柔らかさがあり、尚且つ繊維が詰まっていてしなやかな強さも兼ね備えています。
ハイブランドのバッグや財布など、職人が丁寧に作り上げる高級なアイテムなどで多く見られる素材です。
また、さらに若い牛(生後3ヶ月まで)の革である「ベビーカーフ」という革も存在し、カーフレザー以上の希少な革とされています。
キップ

キップレザーは、生後6ヶ月〜2年までの仔牛(中牛)の革のこと。
特徴としては、前述のカーフスキンよりも成長しており、「中牛革」とも呼ばれる素材です。
牛革は通常、牛が成長するにつれて繊維が広がり、柔らかくなるそう。
したがって、こちらのキップレザーは仔牛の革なので、後述するステアなどと比べて最初はコシがあり、使えば使うほどに味が出る、経年が楽しめる素材となっています。
キップレザーはこのようにカーフレザーと成牛のレザーの中間的な厚みと質感を持つレザーで、カーフに次ぐ高級素材となっています。
ステアハイド

ステアハイド(レザー)とは、去勢された雄牛(ステア)の革のこと。
食肉用として飼育される雄牛は、肉質の向上などのために生後数週間から数ヶ月のうちに去勢されます。
そうして生後2年を経過した牛からとれるのが、このステアレザーです。
生後間も無く去勢され穏やかに成長するため、革質が柔らかいそう。
厚みもしっかりあるので、財布、バッグ、野球のグローブなど、さまざまなアイテムに使われる汎用性の高い素材です。
ブルハイド

前述のステアとは逆に、主に繁殖用に去勢されずに育った、生後2年を経過した雄の牛の革です。
牛革の中で最も固く、厚みがあり丈夫な革で、あまり汎用性は高くありませんが、その分希少で、ブルハイド(レザー)専門のレザーブランドなども存在します。
去勢されていないため気性が荒く、表面に傷などがつきやすいのが特徴。
カウハイド

カウハイド(レザー)は、去勢されずに育った出産経験のある牝牛の革のことです。
牝牛のため、比較的柔らかく薄めの革質が特徴。
大人の牛のため、仔牛の革よりは厚みがあり、耐久性もあります。 出産経験があるため、お腹の部分の革(ベリー)が伸びやすいのも特徴です。
上述のステアハイドと並んで汎用性が高く、流通数も多い定番の素材といえます。
ブライドル

ブライドルレザーは、元々「頭絡」と呼ばれる馬の頭部に着ける馬具のために作られたレザーです。
厳密に言えば上述のように馬具を作るための加工を施したレザーを指す言葉ではありますが、一般的にブライドルレザーといえば牛革で作られるものを指します。
特徴は、馬具のために作られただけあって非常に固く、丈夫であることです。
未使用の状態だと板のような固さのため、使える用途は限られますが、財布や小物類などにおいて非常に人気のある素材です。
ブライドルレザーはロウなどの油脂成分を革の繊維内部まで浸透させてその固さを作るため、未使用の状態では「ブルーム」と呼ばれる白い油脂分が表面に浮き出ています。
使ううちにブルームは取れていき、柔らかさも増していきますが、この最初のブルームもブライドルレザーの醍醐味ともいえる要素です。
完全防水というわけではありませんが、繊維に油脂分が染み込んでいるので、水に強いのも魅力的な素材です。
豚革

食肉用に飼育されている動物の革として、ピッグレザーも多く流通する一般的な素材といえます。

特徴としては、繊維構造が比較的ゆるく、柔らかさがあります。
また厚みがあまりなく、軽くて通気性がいいのも魅力的な点です。
また、表面にポツポツとした毛穴が見られるのもピッグレザーの特徴で、独自の魅力といえます。
日本では豚肉の消費量が多いため、国内での生産が盛んで、安価に流通しているそう。
逆に海外では希少なレザーとして、比較的高価に取引されることも多いようです。
柔らかく軽量なため、ジャケットやコートなどに使われることも多く、また耐久性などもそれなりにあるので、バッグなどの小物類にもよく使われています。
月齢による種類などは特になく、加工方法によって「アメ豚」と呼ばれる鞣してアメ色に仕上げたものや、「ピッグスエード」と呼ばれるスエード素材が主なものとなります。
羊革

そんな羊革は、大まかに以下のような種類があります。
シープスキン

一般的な羊革といえば、こちらのシープスキン(レザー)。
通気性がよく、柔らかかつ表面の強さもあるので、手袋やジャケット、コートや、バッグ、シューズなど幅広く使用されている汎用性の高い革です。
染料との相性もよく、表面に柄をプリントすることにも向いています。
シープスキンは生後1年以上の羊の革を指すもので、羊が生息している地域によって、「ウールシープ」「ヘアシープ」の2種類に分けられます。
ウールシープは主に寒い地域に生息している羊で、高密度の細い毛と皮下脂肪を備えていますが、この特徴のためレザー素材としてよりムートンなどに加工されています。
ヘアシープは逆に比較的温暖な地域に住む羊のことで、毛が短く、皮下脂肪も少ないため、レザーの素材に適しているとされます。
ラムスキン

前述のシープスキンよりも若い、生後1年以内の子羊の革を「ラムスキン(レザー)」といいます。
サイズが小さく、取れる量を比べてもシープスキンより希少なため、高級な素材として扱われています。
特徴としては毛穴が小さくきめ細やかな表面の質感と、柔らかさ。
軽さもあって着用感がとにかく良いので、ラムスキンで仕立てたライダースジャケットなどは「本格的な牛革のライダースは重くて固いけど、ファッション的に楽しみたい!」という層に人気です。
こちらのラムスキンは生後1年以内のものを指しますが、さらに若い生後半年以内の羊の革は「スーパーラムスキン」と呼ばれ、さらに高級な素材として扱われています。
山羊革

革の厚みもカウレザーの半分ほどしかないのですが、繊維が詰まっていて強度があります。
そして山羊革の大きな魅力は自然に浮かび上がるシボ(シワ模様のこと)。
牛革などでもシボのあるものは一般的ですが、実はシボを出すために製造過程の中でシュリンク加工(革を収縮させる加工)をするのが一般的。
山羊革は、このシュリンク加工をすることなく、自然に美しいシボが表面に入っているのが特徴といえます。
ゴートスキン(レザー)

ゴートスキンと呼ばれる山羊革は、大人の山羊革から作られる素材です。
特徴は概ね上述のように、牛革より軽く、柔らかく薄い、扱いやすい素材感です。
繊維の密度が詰まっていて傷がつきにくいのも魅力的な点で、靴、バッグ、服から家具など、幅広く使われています。
キッドスキン(レザー)

kid(キッド)スキンは、その名の通り、生後半年以内の仔山羊の革を指すものです。
前述のゴートスキンよりも繊維の密度があり、しなやかで柔らかい質感を持っています。
仔山羊の革ということで通常より小さく、生産数からしても希少で、高級素材とされています。
馬革

しかしその反面水に弱いという性質があり、少し使い方やお手入れに注意が必要です。
馬革は、月齢による分類というよりは、体のどの部分の革かによって呼び方や用途が異なります。
ホースフロント

馬の首部分の革のこと。 キメが細かいことが多く、ジャケットなどに使われますが、やや摩擦に弱いため、バッグなどのスレに注意が必要です。
ホースハイド

成馬の胴体部分からとれる革で、面積が広いためソファーなどの家具に使われることもある部分。
手触りもなめらかで、扱いやすい革です。
コードバン

コードバンとは、馬のお尻の部分の革のこと。
馬革の中でも特別に強靭で、高級素材として扱われています。
繊維も詰まっていて固いのが特徴です。
他の部分の革と違う点は、裏面を主に使うこと。
ベジタブルタンニン鞣しの後、革の床面を少しずつ削りとり、上質な層を表に出すように加工します。
希少な部位であること、加工に手間がかかることから「革の宝石」などと呼ばれています。
ポニーレザー

ポニーと聞くとミニチュアホースのような特定の品種が浮かびますが、ここでいうポニーとは、成長しても体高が140cmほどしかない小型の馬のことを指します。
ポニーレザーは毛を生かしたまま加工することも多く、ハラコのような質感があります。
軽く、柔らかな質感が特徴で、バッグや財布などの小物類などで人気の素材です。
バッファロー革


水牛ということで「牛革」の一種ですが、通常の牛革よりもやや粗めな表面を持っているのが特徴。
しかし水牛はその名の通り、川や沼地などの水辺に生息しているため、水濡れに強いという革製品には珍しい特性を持っています。
また、表面の強度は他にレザーに比べても特に強く、油分を多く含んでいるのも特徴。
ジャケットやバッグ、家具などにも幅広く使用されており、経年変化も深く楽しめる素材として人気があります。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!私たちが普段使用しているレザー製品は様々な動物の革で出来ています。
それぞれのレザーの特性を知れば、お買い物の際にも役立つかと思います。
ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
ありがとうございました!
KLDのお買取サービス
KLDでは、ご不要になったお洋服、靴、バッグ、ジュエリーなどのお買取もおこなっております。会員登録不要で金額がわかる!LINE査定なども実施中ですので、ぜひお気軽にご相談ください!