こんにちは!
ブランド古着のKLDです。
今日は、「服の素材って色々なものがあるけど正直違いがよくわかっていない…」という方のために!一般的な服で使われがちな素材が、それぞれどんな特徴を持っているかなどをお話していきたいと思います。
このような形でお話していきます。
- 天然素材
- 化学繊維
- 混紡って何?
「いつも着ているお気に入りの服の素材の特徴を知りたい!」という方や、「服を買いたいけど、どんな素材のものが合いそうかが分からない!」という方、ぜひご覧ください!
天然素材
コットン
一般的に一番流通しており、インナーからアウターまで様々な用途に使われている生地といえば、やはりコットン素材ではないでしょうか。
「コットン」とは「綿花」とも呼ばれる素材で、アオイ目アオイ科ワタ属に属する多年草から取れる繊維を糸にし、織った生地です。
コットン100%の生地はふんわりとした肌触りで、肌に優しく、通気性、吸水性に優れています。
例えばシャツなどに使われる「綿ブロード」や「シーチング」生地は、ベーシックな生地の一つで、平織りという織り方で作られており、起毛感のないさらっとした生地で、使う糸の太さにもよりますが、薄手のものが中心で、通年着られるシャツなどや、春夏ものなどに多く使われています。
「コットンは薄手のものだけなの?」というと決してそういうわけではなく、起毛させたネル生地や、分厚く織った帆布(キャンバス)、デニム生地もコットン素材で作られていることが多いですよね。
また、少し厚手でカジュアルなシャツとしてはオックスフォード生地のシャツなども人気です。
毛糸を作って、コットンニットにするのも定番ですよね。
このように、織り方や糸の太さなどによって様々な厚み、季節に対応できる素材がコットンといえます。
ウール
冬の主役ともいえる天然素材がこの「ウール」です。
ウールは羊の毛を刈り取った羊毛を糸にし、織ったもの。
太い毛糸で編んだものはニットとして、冬の定番ですよね。
羊の毛だけをウールというかと思いきや、実は厳密には羊以外の動物であるアルパカ、アンゴラ(ウサギ)、カシミヤ(ヤギ)…などもウールと呼びます。
洋服の内タグなどで日本語表記で「毛」と書いてある場合などがありますが、羊毛以外の上記のような動物の毛の場合にも用いられる表記となっています。
冬に重宝する素材だけあって、やはり最大の特徴はその保温性。
動物の体を寒さから守っていた毛というだけあって寒い日に着れば温かさは抜群です。
また、湿気を吸収する優れた吸湿性、それを放出する放湿性を備えており、メリノウール(「メリノ種」という羊から取れる羊毛)などの素材で出来たインナーなどは、数日間着ていても臭いがしづらく、清潔でいられる!ということから、アウトドアユーザーなどに熱心なファンも多いようです。(効果の感じ方には個人差があるそうです)
その機能性の高さから、サマーウールやトロピカルウールという薄く織った、夏に着用できるウール生地も開発されています。
こちらは軽量で涼しく、吸湿性はそのままで薄く織り上がっているので、綺麗めなスラックスやジャケットなどに最適で、メンズブランドなどで目にする機会が多い素材といえます。
リネン/ラミー/ヘンプ
春夏ものにぜひ取り入れたい気持ちのいい素材といえば、リネン、ラミー、ヘンプといった麻で出来た素材です。
麻素材の最大の特徴といえば、シャリっとしたハリと弾力ではないでしょうか。
肌に張り付かないハリのある生地感は夏に気持ちよく、風通しの良さが魅力です。
また、生地自体も吸水性、発散性に優れているため、汗をかく季節も快適に過ごすことができます。
同じ麻素材でもリネン(亜麻)、ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)と品種の違い等によって感触や風合いに違いがありますが、どれもハリがあって独特のシャリっとした素材感は共通しており、それが洗うたびに柔らかくなっていきます。
夏におすすめと上述しましたが、リネンなどは繊維の中に空気が含まれるという特徴があるので、冬には保温性が期待でき、通年快適に過ごせる素材といえそうです。
麻素材にもニットは存在し、ローゲージ(太めの毛糸でざっくり編むこと)のニットなどは重さを感じるものが多くなるのが特徴。
どっしりとした素材感が感じられてそれも麻素材の一つの魅力といえるでしょう。
シルク
天然素材の中で高級なイメージのある素材といえばシルクではないでしょうか。
蚕が作る繭から作られるシルクは、繭をお湯で柔らかくし、極細の繊維を撚って糸を紡ぎ、 生地にしていきます。
その手間と蚕を育てるコストなどから、高級素材とされていることは納得といえますよね。
また、その高い品質も高級たる所以となっています。
繊細な艶感の美しさはもちろん、タンパク質で出来ているため人間の皮膚に近く、保水性があるため肌に優しいことや、吸湿性/放湿性に優れていて快適であること、紫外線を吸収して防げることなど、機能性も非常に高く、古来より愛されてきたことも頷けますね。
繊細な素材のためデメリットも存在しており、日光による変色のしやすさ、水がつくとシミになりやすく、水洗いでの縮みも出やすい、摩擦に弱い、虫食いになりやすい…など、天然の繊細な素材ゆえのデリケートさがあり、扱いが難しい部分があります。
したがって、シルク素材の服は、ここぞという時のおしゃれ着として購入して、洗濯はクリーニング店で…という方も多い印象があります。
なお、一般的なイメージにある光沢感のある滑らかな生地以外にも、シルクを使用した生地はあり、わざとネップ(繊維のかたまり)を残した無骨な感触で、一見毛玉が付いている?と思ってしまいそうな、光沢のないシルク生地などもあります。
しかしこれも独特の魅力ある生地で、シルクの肌への優しさなどはそのままに、光沢感のある生地よりは気を使わず着られるということで、ナチュラル系のブランドや、COMOLIなどの上質な日常着を作るブランドなどで展開されています。
また、シルク素材もニットに仕立てたものはあり、目の細かいハイゲージのものが多いようです。
素材の良さもあり、かすかな光沢感のある上品なニット生地になります。
和紙
天然素材の中のやや変わり種として、近年よく見るのがこちらの「和紙」でしょうか。
和紙と洋紙は実は使用する植物などの素材が異なり、洋紙に比べて和紙は非常に耐久性が高いそうです。
したがって生地にした時も和紙は耐久性が強く、環境にも優しい素材ということで注目されています。
作り方は、通常の和紙を作るように植物の繊維から紙を漉いて和紙を作り、それを細いテープ状にカット、それを撚って糸にし、織って生地にしていきます。
和紙を使った生地の特徴としては、なんといってもドライタッチでさらっとした気持ちのいい感触でしょうか。
毛羽立ちしにくく、さらっとしたハリのある生地は暑い季節にも気持ちよく着られ、肌に貼りつきにくいという特徴があります。
また、実際に吸水性に優れており、それを外に放出する機能も高く、速乾性にも優れているので、夏の衣服にはぴったりの素材です。
また、油脂への吸収性に優れているという点は他の繊維にはあまり見られない点であり、和紙を使った生地の気持ちよさの理由の一つといえそうです。
ニットにした場合は「ペーパーヤーン」と呼ばれ、和紙ならではのドライタッチな気持ちよさは健在。
春夏向けのニットとしてとても人気があります。
化学繊維
ポリエステル
化学繊維の生地として世界的に最も生産量が多いのがこのポリエステル。
安価で丈夫、洗濯などもしやすく、日常着の強い味方といったイメージがありますよね。
石油を主原料として作られる合成繊維です。
生地が軽く、シワになりにくく速乾性があるので、スポーツウェアやアウトドアウェアに使われることも多くあります。
しかし、汗を吸わず、織り方によって通気性も悪いものが多いという一面もあるので、真夏の暑い時期にはおすすめできないという意見も多くあります。
しかし、ポリエステルのブラウスなどは洗濯もしやすく、インナーの生地に気をつければ不快で着られないということはありません。
生地感はさまざまで、シルクのような光沢感のある生地から、しっかりとした厚みのある生地、透け感のあるもの、ないもの…など、かなり自由に形を変える素材といえます。
生地の加工もしやすく、細かいプリーツのスカートなどはポリエステル素材は最適と言えます。
ポリエステルニットは天然素材に比べるとやや毛玉ができやすいと言われているので、日頃のお手入れや、出来るだけ摩擦が起こらないように注意をして着用すれば長持ちさせることができそうです。
ナイロン
化学繊維の生地でポリエステルに並ぶポピュラーな素材といえばナイロン。
サコッシュやバックパック、丈夫なエコバッグなどに使われている素材といえばピンとくる方も多いのではないでしょうか。
ナイロンは世界で初めて開発された合成繊維で、その誕生は1936年にまで遡ります。
意外にも(?)長い歴史のある素材なんですね。
網目状にしてストッキングにしたり、伸縮性を生かして水着にしたりなど、タフな印象のある素材です。
ポリエステル同様シワになりにくく摩擦に強いので、とても扱いやすい素材といえます。
ポリウレタン
ポリエステルと名前が似ていて混同しそうになる方も多いのではないでしょうか。
ポリウレタンは別名スパンデックスやエラスタンと呼ばれる素材で、「ポリウレタン弾性繊維」と呼ばれるものです。
ポリウレタン弾性繊維とはプラスチックから作られる化学繊維のひとつで、ゴムの代用品として開発されたものです。
ゴムの代用品というだけあってその伸縮性を生かした製品に使われており、一般的な洋服としては、ポリウレタン100%の生地というよりも他の素材と混紡し、生地にストレッチ性を持たせるために使われることが多いです。
例えばストレッチデニムなどの内タグを見ると、必ずと言っていいほど「ポリウレタン(もしくはスパンデックス、エラスタン)」という表記があるはずです。
デメリットとしては、耐久性がやや弱く、購入時の状態を長持ちさせるのが難しいという点でしょうか。
しかし、内タグの洗濯表記に従ってお手入れをすれば、問題なく他の素材の服と同じように着ていけるでしょう。
アクリル
化学繊維の中で一番ウールに近い感触を持つと言われている素材、アクリル。
毛糸として加工され、ニットになることが多い素材ですよね。
手芸店などでもウールの毛糸と並んで、アクリルの毛糸が並んでいるところを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ふっくらと柔らかく、弾力性があるのが特徴。
また、天然素材のウールに比べて虫食いになりにくい点も魅力です。
やや毛玉が出来やすいため、摩擦には注意が必要です。
また、やはり着た時の暖かさを比べるとウールには及ばないという点もデメリットといえるでしょうか。
ウールより安価に購入できるニットが多いため、気軽に秋冬のファッションにニットを取り入れたい時にはアクリル素材を選択肢に入れるのはおすすめです。
レーヨン
独特の柔らかさやとろみのある生地が作れる素材、レーヨン。
アロハシャツの生地などに使われることが多い素材です。
レーヨンは、ポリエステルなどの石油由来の素材とは違い、実はもともとは天然の素材を加工した「再生繊維」と呼ばれるものです。
木材パルプから採取する植物原料に、薬剤による加工を施して作られるため、処理をしっかりとすれば自然に還元できる素材となっています。
もともとシルクの代用品として開発された素材だそうで、繊細な美しさを追求して作られていたため、開発当初は耐久性などに課題があったそうですが、現在は日常的に着るのに支障がないくらいに改善されています。
ポリエステルなどに比べるとややシワがつきやすい点などは難点ですが、その反面、美しいドレープや光沢感を楽しむことができます。
染色との相性もよく、発色が綺麗なのでアロハシャツの派手な柄もしっかりと表現できるということで重宝されています。
混紡って何?
最後に、「生地の混紡」について少しお話したいと思います。
混紡とは、2種類以上の繊維を混ぜ合わせて糸を紡ぐこと。
例えば今回ご紹介した素材でも、さまざまな組み合わせで混紡することにより、それぞれの素材の持つ強みを活かしたり、弱い部分を補ったりできる混紡素材が多く存在します。
洋服の内タグを見ると「コットン60%、ポリエステル40%」という記載などを見かけることがあると思います。
こう言った場合、ほとんどは生地を混紡して作っているという意味になります。
例えばウールとアクリルを混紡して、ウール100%のニットよりも安価な製品を作ったり、コットンとナイロンを60%/40%で混紡した生地などは「60/40クロス」と呼ばれ、昔ながらのアウトドアウェアに使用されたりしています。
このようにさまざまな素材の利点を活かした生地を作ることができる「混紡」は、現代の服作りには欠かせない技術となっています。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!季節に合った素材選びをすればより快適に過ごすことができます。
ありがとうございました!
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